歩・探・見・感

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ノスタルジック、レトロ、ディープそしてマイナーな世界へようこそ

旧町名 東京府南足立郡江北村大字鹿濱

足立区シリーズが続く。
 
昨日(2021年10月5日)、東京の気温は29.1℃と2日連続29℃台と暑い日が続いた。
赤羽駅から環七の新神谷橋を渡り、新田(しんでん)を探索後、鹿浜橋を渡り、鹿浜へ。
鹿浜橋を渡り終わり、環七から右側方面へ歩いていくと古そうな門が目についた。
思わず引き寄せられ、行ってみると、門の傍らの覆屋庚申塔と石仏が祀られていた。更に門柱を見上げ、表札を見た所、驚いた!
なんとこの表札があった。
この表札の存在は知っていたが、どこにあるかわからなく、いずれ探索する予定であったが、偶然見つけることができた。
 
発見日  2021年10月5日
発見場所 東京都足立区鹿浜1丁目
 
これは「鹿浜虫切り」で有名な鍼灸院の門に掲げられているものである。
東京府」「南足立郡」「江北村」「大字鹿濱」どれを見ても素晴らしい!

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沿革
1878年明治11年)11月2日
郡区町村編成法の東京府の施行により、武蔵国足立郡のうち東京府に属する区域を持って南足立郡が発足。
1889年(明治22年)5月1日
町村制の施行により、沼田村、鹿浜村、鹿浜新田、加々皿沼村、高野村、谷在家村、宮城村、小台村、堀之内村より江北村が発足。
1932年(昭和7年)10月1日
東京市編入され、3町7村の区域を持って東京市足立区となる。同日南足立郡消滅。
南足立郡が消滅したのは、1932年(昭和7年)なので、それ以前に製作されたものだろう。文字のかすれもない、大切に保存していてくれたのだろう。今後もお願いしたい。
この鍼灸院は2010年3月20日アド街ック天国で6位に紹介されたことがあるようだ。
「鹿浜の虫切り」とは何だ?
ホームページはないようだが、鍼灸院の店舗のコメントを見つけた。

かんの虫と言う言葉をご存知ですか。癇癪という意味があります。かんの虫がいるせいで赤ちゃんのかんが強くなると信じられて、古来色々なおまじないやおはらいのたぐいが行われてきました。夜泣きがはげしい、食が細い、すぐかんしゃくをおこしてキーキーいう、ひきつける等、こんな赤ちゃんを前にして、お母さんたちは途方に暮れてしまいます。小児科医に行っても治りません。困ったときの神だのみ、虫封じのおはらいをしてもらうのも、それでお母さんの気持ちが落ち着き、赤ちゃんのかんの虫がおさまるなら、それもいいでしょう。でも、もう少し具体的な解決方法がほしい、というときには、小児はりをおためしになってみませんか。人体の要所、急所にあるツボを軽く刺激して、心と体の両面を安定させるのが、いわゆる はりの原理。おだやかに、ゆっくりと効いていく小児はりだからこそ、かんしゃくや夜泣き、その他の症状もだんだんおさまっていくのです。

「足立の昔がたり」より 著者:朱川湊人編集・監修
鹿浜の虫切り「かんの虫」という言葉を、知っているかな?子どもが多くかかる「夜泣なきやまない、ねられない、イライラする、ごはんが食べられない、げり、吐はきたくなる」などがおこる病気のことで、古い人は「かんの虫がおこった」といっていた。この病気を治なおすことで有名なのが、「鹿浜の虫切り」だ。この虫切りのはじまりは、奈良時代行基というえらいお坊さんが、日本中のいろいろなところに仏教を広めるために旅している途中、鹿浜の小宮家に長い間とどまり、お世話になったことに関係があるといわれている。行基は長く世話になったお礼をと考え、とくに子どもがかかりやすい「かんの虫」にきく、特とくべつ別な薬を伝えた。その薬は代だい受けつがれる大切な薬となり、鹿浜だけではなく、遠い村や町で病気にかかった子どもたちも助けたそうだ。
「虫切り」について色々調べていくと面白そうだが、この辺りでやめておこう。