春日部市で東京都の旧町名を2件続けて紹介するという意外な展開となってしまった。何のために春日部市を訪問したんだということになってしまうので、今回は春日部市のものを紹介する。
発見日 2021年11月3日
発見場所 埼玉県春日部市粕壁東1
春日部市にも電力プレートが存在していた。
当たり前のことかもしれないが、かつて粕壁宿として栄えた古い町なので、もっとあると思っていたが、開発が進んでしまったようで、今のところ見つけられたのは、この1枚だけだ。
「ホンチヨ」とは「本町」のことだが、現春日部市には「本町」は存在していない。
調べてみると、「本町」は通称町名らしいのだが、春日部市のホームぺージには、通称町名の説明が見当たらなかった。
そもそも通称町名とは何か?
島根県安来市の「安来市通常業務における通称町名の取扱いに関する要綱」には、「行政町名とは別に、その住所地又は地域を簡易に特定するため一般的に広く呼称されている固有名称をいう。」という記載があった。
このようにいくつかの自治体では、今でも通称町名が使用されてことがあるようだ。
そういえば,、以前紹介した埼玉県志木市や埼玉県蕨市の電力プレートでもこのような通称町名が使用されていることがあった。
それでは、今回見つけることができた通称町名のプレート類を紹介しよう。
①内出町
②仲町
③旭町
④東町
他にも、内谷、三枚橋、大砂、一宮町等があるようだが、今回は見つけることができなかった。
沿革
1889年(明治22年)4月1日
粕壁宿が町制施行により南埼玉郡粕壁町となる。
1944年(昭和19年)4月1日
南埼玉郡粕壁町と同郡内牧村が町村合併し、春日部町となる。
1954年(昭和29年)7月1日
南埼玉郡春日部町と同郡豊春村、武里村、北葛飾郡幸松村と豊野村の1町4村の合併により市制を施行、春日部市となる。
2005年(平成17年)10月1日
春日部市と北葛飾郡庄和町との1市1町で合併協議を進め、北葛飾郡庄和町と新設合併し、現在の春日部市となる。
地名の由来
なぜ「春日部」と「粕壁」の2種類があるのかというと、それは鎌倉時代まで遡る。
領主春日部重行を中心とした春日部氏が今の春日部周辺に台頭して、これが現在の「春日部」の語源となっているとのことだ。
江戸時代になると春日部は日光街道第四の宿場として栄える。ここでは「粕壁宿」という字が使われ、その後粕壁町→春日部町→春日部市となったのだ。
「春日部」は鎌倉時代の領主の名前で、「粕壁」は宿場町としての名称ということだ。