歩・探・見・感

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ノスタルジック、レトロ、ディープそしてマイナーな世界へようこそ

鉄道遺産 大佛鐵道記念公園

これは奈良市の記事になるが、桜の季節は終わってしまい、もう紫陽花の季節となってしまった。

 

早朝、奈良市内を探索をしていたら、しだれ桜に目が留まった。

 

そこは大佛鐵道記念公園という名前の公園だった。

 

発見日  2022年4月8日

発見場所 奈良県奈良市法蓮町986

 

大佛鐵道記念公園

 

 

関西鉄道 大仏駅について

左上の鳥の糞が気になる。

きれいにしておけばよかった。

 

明治28年草津・名古屋間を全通した関西鉄道は、柘植から大阪方面への進出を計り、2年後の30年11月に加茂まで開通した。
ここから梅谷を経て黒髪山トンネルを下り、明治31年4月、この地の北側法蓮の交番所の南あたりに大仏駅を設置した。
この鉄道は、市民・観光客にも親しまれ、大仏詣での人達もこの駅で下車し一条通りを通って東大寺に参拝していた。奈良駅へは、その年の12月に到達したが、乗り入れが実現したのは、翌32年5月であった。その後、路線が木津経由に変更となり、明治40年8月までの約9年間で廃止された。
昭和39年頃までは、トンネルも残っていたが、現在は取り壊されて当時の面影はいまは見られない。
平成4年4月  奈良市

 

大仏駅と名前がつけられているが、ここから東大寺の一番近い入口の転害門まで約1.8kmもある。

 

機関車の動輪モニュメント

 

大仏鉄道遺構めぐり案内図

最近、この大仏鉄道遺構を歩くハイキングが密かなブームとなっているらしい。

 

上の案内図から「大仏鉄道」の説明部分抜粋

今から100年以上前、「大仏鉄道」が走っていました。
大仏鉄道とは、当時の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」の加茂と奈良を結ぶ、わずか9.9kmの路線の愛称です。
明治31年4月の開業後、終着駅の「大仏駅」は東大寺大仏殿の最寄り駅として、大いに賑わいました。
翌年5月、同社は大仏駅から奈良駅へ路線を延長。奈良駅への乗り入れを果たすと、観光の拠点は、大仏駅から奈良駅へと次第に移っていきました。
そして明治40年8月、加茂駅から木津駅を経て奈良駅へと至る平坦なルートが開通すると、急坂の難所を抱える大仏鉄道は休止となり、同年1 1月に廃線。わずか9年の歴史に幕を下ろしました。
大仏鉄道は、営業期間が短く、当時の資料も乏しいことから「幻の大仏鉄道」と呼ばれ、その実態には諸説あります。しかし、路線の跡には隧道(ずいどう=川の水や人を通すためのトンネル)や橋台(橋の上部構造の両端を支える基礎)などの遺構が所々に残され、1世紀前の姿を今に伝えています。
色鮮やかな深紅の蒸気機関車「電光(いなづま)号」などが駆け抜けたという幻の鉄道。当時を思い描きながら廃線跡をたどれば、周囲の景色も一層美しくみえるかもしれません。

 

上の案内図から「遺構」の説明部分抜粋

①ランプ小屋
赤レンカ造り、切り妻屋根のランプ小屋。加茂駅の開業時に建て  られました。

②旧加茂駅跨線橋支柱
明治32年頃着工。支柱の根元には「尾張熱田鐵道車輌製造所製造」の表示があります。

③観音寺橋台
石積みの橋台(手前)。現在利用されている関西本線の橋台と同時期に建設されました。

④鹿背山橋台
石積みの橋台。堅固な構えに魅了される人も多く、遺構の中でも人気のスポットです。

⑤梶ヶ谷隧道
アーチ部分はレンガ造り、下部は石積みの隧道です。内部を歩くことができます。

⑥赤橋
レンガ造りの橋台。生活道路として使用されており、現役で活躍しています。

⑦井関川橋梁跡
構造物の詳細は不明。南北に走る道に、当時の軌道の雰囲気が残っています。

⑧松谷川隧道
レンガ造りのレンガ造りの。色の違うレンガが交互に配置されています。

⑨鹿川隧道
農業用水路の目的で造られた石積みの隧道。現在も利用されています。

奈良市側に唯一しっかりと残る遺構。800mほど北の木津川市側にある松谷川隧道とよく似た構造をしています。精巧なアーチをつくる御影石が歴史の古さを物語り、すぐ横を通る現役の水路との間にわずかにレンガ積みを残します。

黒髪山トンネル跡
昭和41年頃まで残っていた、大仏鉄道唯一のトンネル。道路拡張で取り壊されて現在の姿に

大仏鉄道最大の難所は1000mで25mを登る急勾配の黒髪山。かつては社章があしらわれた黒髪山トンネルが通り廃線後も生活道路として用いられていました。昭和30年代末に山ごと取り壊され、いまは奈良一高い跨道橋が架かっています。

⑪大仏鉄道記念公園
大仏駅の跡地に、奈良市と地元自治体の協力で、平成4年に造られた公園です。

佐保川橋脚跡
佐保川に架かる下長慶橋付近の川底に残る、レンカ製橋脚の基底部です。

 

この佐保川のどこかに⑫レンカ製橋脚の基底部があるらしいのだが、早朝、優雅に泳いでいる鴨?しか見えなかった。

 

大佛鐵道記念公園に植えられているしだれ桜が満開で、朝日に照らされていてとてもきれいだった。

住宅地の一角の、道路がY型に分岐する少し変わった交差点の中央部に大仏鉄道記念公園が位置している。
桜は密集する形で計3本が「1本の桜」であるかのように咲き誇っている。