中目黒を探索中、こんなものを発見した。
○○跡のように何も痕跡がないようなものについても、このような案内板や説明板があると写真を撮っている。
撮っているだけではもったいないので、関連情報もあれば、合わせて紹介していくことにしよう。
発見日 2022年8月2日
発見場所 東京都目黒区中目黒五丁目13-16
現在はバス停の「自然園下」にのみその名を残す「自然園」は、大正時代にあった自然を生かした健康増進施設です。
当時このあたりは、清流が流れ田園風景が広がる自然豊かな地域でした。
農学者の風見彦蔵は人々が都会生活を健康的に営むためには、自然と触れ合う場所が必要であると考え、大正4年(1915)頃に現在の中目黒5丁目12~20にあたる場所に広さ8300坪ほどの「自然園」を開園しました。
園内には、野菜やイチゴの畑が作られ、新鮮な作物を提供していました。また、走ったり寝転がったりして、自由に自然に触れられる芝生の広場や若者の憧れのスポーツでもあったテニスコートなども造りました。さらにヤギ牧場では、当時珍重されたヤギのミルクを飲むこともできました。
目黒地域の住宅化の進行に伴い、大正14年(1925)頃には閉園となりましたが、大正時代に新しい思想に基づく健康増進に着目した施設が開設されたことは注目すべき点です。
平成24年3月
目黒区教育委員会
2012年3月、区長、教育長も参加し地域の約80名の方々が集まり、賑やかに「由来掲示板設置セレモニー」が行われたそうだ。
目黒4丁目の酒屋「マイマート甲州屋」に「オリジナル日本酒『自然園』」が販売されているそうだ。
自然園下バス停
このようないわれを知ると、バス停名にも愛着がわく。
自然園下バス停は東急バスの三軒茶屋駅~目黒駅をつなぐ三軒茶屋線のバス停。
この路線は、狭い道ばかり走るため中型車しか運用につけない、東急バスでも指折りの狭隘路線らしい。