狛江市の東南隅にあった宿河原だったところは、堤内はわずかに東西400メートル・南北100メートルばかり、堤外は、多摩川の河川敷だった。宿河原という地域の大部分は、川の南にあって神奈川県川崎市多摩区に属していて、現行行政地名は宿河原1丁目から宿河原7丁目となっている。
そんな狛江市の狭い範囲の中を知らずに探索していたところ、「狛江町宿河原」時代の旧町名を偶然発見することが出来た。
発見日 2024年11月24日
発見場所 東京都狛江市駒井町
歴史
1889年(明治22年)4月1日
町村制の施行により、登戸村、菅村、中野島村、宿河原村、堰村が合併して稲田村が成立。宿河原はその大字となる。
神奈川県における町村制の施行により7か村組合が廃され和泉村・岩戸村・駒井村・小足立村・覚東村の6村が合併し、狛江村となった。
1910年(明治43年)
多摩川で大洪水があり、流路が変化して一部が対岸となる
1912年(明治45年)
多摩川を挟んで両岸に蛇行していた東京府北多摩郡との境が多摩川上に設定され、北多摩郡調布町大字上布田、下布田、狛江村大字和泉の各一部を編入。東京府神奈川県境界変更ニ関スル法律が施行され、多摩川対岸に位置する稲田村にあった飛地(大字宿河原の一部)が狛江村に編入された。
1952年(昭和27年)11月10日
町制が施行され、狛江町となった。
1970年(昭和45年)10月1日
市制を施行し狛江市となった。
1982年(昭和57年)11月1日
住居表示が実施され、駒井町一丁目~駒井町三丁目となり、宿河原は消滅する。
地名の由来
「新編武蔵風土記稿」では、もともとあった小名の「宿」と多摩川の「河原」から名がついたものではないかとしている。「宿」について、当地に宿場が存在したことは確認できず、「徒然草」に書かれた「ぼろぼろ」を踊り念仏の集団と解釈して、そうしたものに対する呼称であった「夙」から転じたとする説、あるいは土地が「じゅくじゅく」しているという意味合いから来たとする説があるが、いずれにしても由来は定かではない。
宿河原稲荷神社
訪問日 2024年11月28日
訪問場所 東京都狛江市駒井町3-24
鳥居
台座
多摩川宿河原堰