歩・探・見・感

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看板よ、落ち着け。『たのまない』と『しんにょうの断』に物申す

街を歩いていたら、ふと視界に飛び込んできた手作り感漂う看板。
そこには堂々とこう書かれていた。

「たのまない訪問販売お断り」

……いや、ちょっと待ってほしい。

まず「たのまない」。
この言い方、なんとも言えない違和感がある。
「頼まない」って、こっちが頼む前提で話が進んでない?
訪問販売って、そもそも頼んで来るものじゃないよね。
頼んでないから来ないでほしい、という気持ちはわかるけれど、
そのまま言葉にするとこういう独特なニュアンスになるのかと妙に感心してしまった。

そして極めつけは「断」の字。
左側が……しんにょう。
いやいやいや、どこをどうしたら「しんにょう」がそこに入るのか。
「断る」って、そんなスピード感あふれる漢字だったっけ。
もはや「断る」ではなく「逃げる」か「走る」かのどちらかに見えてくる。

ただ、この看板をよく見ると、どうやら金属板を叩いて文字を浮き上がらせたものらしい。
その事実に気づいた瞬間、ツッコミたい気持ちと同時に、妙な敬意が湧いてきた。
だって、これ、相当な手間と根気がいる。
「訪問販売は来ないでくれ!」という強い思いを、ただのペン書きではなく、
金属を相手にガンガン打ち込んで形にしたわけだ。
もはやこれは看板というより“意志の彫刻”と言ってもいい。
文字が多少暴走してしまったのも、勢い余った魂の表れなのかもしれない。

看板を作った人の必死さは確かに伝わる。伝わるんだけど……
どうしてもツッコミを入れずにはいられなかった。

街角には、こういう“味のある看板”がまだまだ眠っているのだろう。
また面白いのを見つけたら、そっと心の中でツッコんであげたい。

撮影日  2026年1月27日

撮影場所 東京都稲城市