2026年2月10日、愛宕山にあるNHK放送博物館に立ち寄った帰り道、巨大な再開発現場のフェンス越しに、意外すぎる掲示を見つけた。
そこは、2028年の竣工を目指してタワーマンションなどが建設されている**「愛宕地区第一種市街地再開発事業」の真っ只中。見上げるような高層ビルに囲まれたこの工事現場の一部**を利用して、なんと「きのこ」が栽培されているのだ。

そびえ立つタワーマンションと、その足元で進行中のきのこ栽培。
現場の廃材を資源へ。竹中工務店の循環プロジェクト
掲示板を詳しく見ると、これは施工主である竹中工務店による、建設現場で発生した不要な木材を有効利用する取り組みだという。
現場で出た廃材に穴をあけ、種駒を打ち込む作業の様子。
通常なら廃棄されるはずの木材を「菌床」として再利用し、きのこを育てる。 無機質な鉄骨や仮囲いが続く工事現場において、ここだけが資源が循環する「生きた場所」になっている。
収穫は2027年!再開発と共に刻まれる時間
栽培されているのは、しいたけ、なめこ、ひらたけ、くりたけの4種類。 驚いたのは、その息の長いスケジュールだ。
2025年末に菌を植え、収穫予定は2027年。
スケジュール表によれば、収穫は約2年後の2027年後半になる予定だという。 再開発という長期プロジェクトの傍らで、きのこたちもまた、じっくりと時間をかけて成長しているのだ。
それぞれのきのこの特徴や、美味しそうなレシピまで紹介されていた。
都会の喧騒の中の「癒やし」
フェンスには可愛らしいキャラクターが描かれた看板も掲げられていた。 「この中で育っています」というメッセージに、殺伐としがちな工事現場のイメージが少し和らぐ。


巨大なビルが次々と街の姿を変えていく中で、現場から出た廃材を捨てずに命を育む材料にする。そんな「スローな循環」が、都会のど真ん中で行われていることに、なんだか少しホッとする帰り道になった。
2027年、収穫の時期にまたこの場所を訪れてみたい。その頃、愛宕の空はどこまで新しくなっているだろうか。