孫の誕生祝いで、あるファミリーレストランを訪れた。
せっかくのお祝いなので、普段より少しぜいたくな料理を注文することにした。選んだのは、メニューに掲載されていたキューブロールステーキとハンバーグのセットである。

メニュー写真では、ステーキにきれいな焼き目が入り、ハンバーグも形よく盛り付けられていた。付け合わせも含めてボリュームがあり、特別な日の食事としてもよさそうに見えた。
セット価格は税込み4,279円。ファミリーレストランの料理としては、決して安い金額ではない。
孫の誕生祝いということもあり、「今日は少しぜいたくをして、みんなで楽しもう」と思って注文した。だからこそ、実際に料理が運ばれてきたときの落差は、普段より強く感じられた。
しかも、この料理は家族の中で最後に運ばれてきた。待っている間に期待も高まっていただけに、実際に目の前に置かれた料理の印象は余計に気になるものだった。
写真との違い
実際に出てきた料理は、メニュー写真とはかなり印象が違って見えた。

ステーキは写真よりも小さく見え、厚みや形も異なっているように感じた。ハンバーグも写真のように整った見た目ではなく、付け合わせを含めた皿全体の雰囲気も、メニュー写真から受けた印象とは別のものだった。
もちろん、写真と実物が完全に同じでないことは理解している。
肉は一枚ごとに形が違うし、焼き方や盛り付けにも多少のばらつきがある。撮影用の料理と、実際に提供される料理に違いが出ることも分かる。
いわば「ファミレス仕様」と言えば、それまでなのかもしれない。
しかし、その言葉で片づけてよいのだろうか。
メニュー写真は、客が料理を選ぶための大切な情報である。実物と多少の違いが出るのは仕方がないとしても、撮影用に整えられた料理と実際に提供される料理との差が大きいと、期待との落差も大きくなる。
写真では、ステーキに厚みがあり、焼き目もきれいに付いていた。ハンバーグも形よく盛り付けられ、価格に見合う料理に見えた。
ところが、実際に運ばれてきた料理は、肉の大きさや厚み、形、盛り付けの印象がかなり違って見えた。写真を見て期待した料理との間に、少なからぬ差を感じた。
また、メニューには熱いので注意といった案内があったが、実際には、その注意書きから想像するほどの熱さは感じられなかった。
最後に運ばれてきた料理だっただけに、その点も少し残念だった。
説明から受けた印象
もう一つ気になったのが、キューブロールの説明である。

メニューには、キューブロールについて、リブロースの外側にある「かぶり」と呼ばれる脂肪の多い部分を取り除いた部位だと説明されていた。肉質は柔らかく、風味もよいという内容である。
その説明からは、脂身が比較的少なく、赤身主体の肉を想像していた。
ところが、実際に出てきたステーキには脂身と思われる部分も見られた。もちろん、肉に脂が含まれていること自体を問題にしているわけではない。
ただ、メニューの説明から受けた印象とはやや異なっており、期待していた内容とは違う印象を受けた。
写真だけでなく、料理の説明からも期待していたため、実物との差が二重に感じられた。
業界全体に感じる疑問
今回のことは、この店だけの問題ではないようにも思える。
これまでにも、ほかのファミリーレストランで、メニュー写真と実際に提供された料理との間に差を感じたことがあった。
もちろん、写真と実物が完全に一致することを求めているわけではない。個体差や調理上の違いがあることは理解している。
それでも、「ファミレス仕様だから仕方がない」と客が受け入れることを前提にしてよいのだろうか。
メニュー写真は、客が料理を選ぶ際の重要な判断材料である。写真を見て、「これを食べたい」「この内容なら、この金額を払ってもよい」と考えて注文する。
だからこそ、撮影用に特別に整えられた写真と、実際に提供される料理との落差が大きいと、期待とのずれも大きくなる。
今回注文した料理は、孫の誕生祝いという特別な日の食事だった。セット価格も税込み4,279円である。
さらに、料理が最後に運ばれてきたことで、自然と期待も高まっていた。
だからこそ、メニュー写真や説明から受けた印象と実際の料理との違いが、普段以上に気になったのかもしれない。
この店だけを責めたいわけではない。「詐欺だ」「違法だ」と言いたいわけでもない。
ただ、撮影用に整えた料理ではなく、実際の標準的な提供例に近い写真を使うことはできないのだろうかと思う。
もし実物との違いが出やすいのであれば、それが分かるような見せ方を工夫することもできるはずである。
ファミリーレストランだから多少の違いは仕方がない。その考え方自体は理解できる。
しかし、客が支払う金額や、その料理を楽しみにする気持ちは、ファミリーレストランだからといって軽いものではない。まして、誕生日や記念日などの特別な日に利用する客もいる。
「ファミレス仕様だから仕方がない」と客に納得を求めるのではなく、メニュー写真そのものをもう少し実際の料理に近づけることはできないものか。
おわりに
今回の料理が極端に悪かったと言いたいわけではない。
不満として残ったのは、料理そのものというより、メニュー写真や説明から受けた期待との落差だった。
孫の誕生祝いという特別な日に、税込み4,279円を支払って注文した料理だっただけに、そのがっかり感は小さくなかった。
今回のことで、この店を再び利用したいという気持ちはなくなった。今後利用することもないだろう。
ただ、この問題については一店舗だけの話ではなく、ファミリーレストラン業界全体として、メニュー写真と実物との距離感を改めて考えてほしいと思う。
訪問日 2026年11月3日




















