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浦和駅開業140周年記念イベント ~ 伊勢丹浦和店編 ③ ~

今回は「開業140周年 浦和駅と列車の歴史」⑪~⑭までを紹介することにしよう。

開業140周年 浦和駅と列車の歴史⑪
三複線化しても東北、 高崎線は通過

西口駅舎も完成し、1968(昭和43)年10月1日のダイヤ改正から浦和駅には東北本線高崎線のホームが設置されました。しかしこの時代も東北、上信越方面に向かう特急、急行列車が数多く運転されており、線路容量は非常にひっ迫したままで、浦和駅に列車を停車させることで運転できる本数が制約されることから、せっかくホームが設置されたにもかかわらず停車するのは朝タラッシュ時間帯の一部列車のみに限られました。「県庁所在地にもかかわらず特急列車が止まらない」 と、浦和の冷遇ぶりが話題になることもありましたが、これはひとえに上野~大宮間に数多くの長距離特急、急行を運転するためにやむを得ないことでした。それでも急行列車が1往復停車し、県都の駅としての面目をかろうじて保つことができ、盛大な出発式も行われました。また、この際新設された貨物線は、用地の都合から高架線で浦和駅を通過する構造になり、ホームは設けられませんでした。 なお、これまでは西口側が1番線、東口側が2番線でしたが、この工事以降の写真を見ると現在と同様に東口側が1番線、西口側が4番線になっています。

1968(昭和43)年の浦和駅ホーム。

右が新設された中距離電車ホーム。時刻表を見ると7時、8時、9時の次が15時になっており、18時で停車が終了しているため時刻表も小さい。上り39本、下り31本が停車しているがそれ以外の列車はすべて「通過」していました

新駅舎が完成し、急行停車を記念した看板が取付けられ、初列車には花束贈呈などのセレモニーも開催されました。
上写真2点所蔵:さいたま市アーカイブスセンターギャラリー

開業140周年 浦和駅と列車の歴史⑫

三複線完成後の1968(昭和43)年10月改正、1970(昭和45)年改訂の東北本線列車ダイヤ。よく見ると浦和のところに小さな○印がつけられている列車があるが、この列車のみが浦和駅に停車し、ほかの列車はすべて通過が所定で、停車する列車に印がつけられると いうのは極めて異例の記述
所蔵:鉄道博物館

1970(昭和45)年のラッシュ時の列車線(中電)ホーム。多くのお客さまが整然と並ぶ中、写真奥から115系電車が進入してきています。列車線ホームの屋根は1978(同53)年に延長されました


1970(昭和45)年の西口出口付近。きっぷの自動券売機は単能式(1種類のきっぷのみを発券できるタイプ)で、30円区間のきっぷ、40円区間のきっぷを発券する券売機が5台ほど写っています

1970(昭和45年の西口外観(左)と東口(右)付近。新築された西口に対し、東口は建て替えられることなく高架化前まで改修を重ね使われました

開業140周年 浦和駅と列車の歴史⑬
中距離電車全面停車と特急停車


1970(昭和45)年の西口駅前の風景。

1970(昭和45)年に撮影された西口から大宮側を見た写真。右に見える高架線は東北貨物線。家並みは大きく変貌しましたが道路の形は変わっていません

転機が訪れたのは1982(昭和57)年。東北、上越新幹線の開業で、東北本線高崎線を走っていた多くの特急、急行列車が、新幹線にその役目を譲り廃止されたことによりダイヤに余裕が生まれたことから、上越新幹線開業11月15日以降、東北本線高崎線中距離電車(普通列車)がすべて停車するようになります。1932(昭和7)年から続いた浦和通過が解消し、西口駅前では盛大な式典も挙行されました。
しかし一部残った東北本線の特急や高崎線信越本線の特急は引き続き全列車が通過のままでした。

1982(昭和57)年、中距離列車が浦和駅に全面停車することを祝して、西口駅前で開かれた式典の様子。
地元の浦和商工会の主催で開催されました

開業140周年 浦和駅と列車の歴史⑭
浦和駅開業100周年!

すべての中距離電車が停車するようになった翌1983(昭和58)年7月には、浦和駅が開業100周年を迎えました。西口広場では浦和市や実行委員会が主催する盛大な式典が行われたほか、記念入場券も発売されました。西口駅前は1981(同56)年の伊勢丹浦和店、浦和コルソの開店で大きな変貌を遂げましたが、まだ駅前の木々も低く、駅前で発車を待つ国際興業バスも懐かしいスタイルの車の姿が見えます。

(上)開業100周年記念 入場券の販売

(左 右)横断幕やコルソの懸垂幕などで装飾された西口広場で盛大に開催された記念式展

再び一部の中距離電車が浦和を通過・・・
1982(昭和57)年、念願ともいえたすべての中距離電車が停車するようになったにもかかわらず、1984(同59)年以降、朝ラッシュ時増発のため運転が開始された大宮~赤羽間を貨物線経由で運転する東北本線高崎線中距離電車は、貨物線にホームがないことから浦和を通過するようになります。この列車は1988(同63)年以降、赤羽行きから池袋行きになり、1時間に1本程度運転されるようになり、現在の湘南新宿ラインと同じ経路を走る列車となりますが、ホームがないため浦和駅は通過。側面の行先表示板(サボ) には 「浦和通過」と注意の表記がなされていました。2001(平成13)年に湘南新宿ラインが開業しますが、これもすべて浦和駅は通過でした。
(上) 北浦和~浦和を並走する高崎線池袋行きと東北線上野行きの115系電車。左の池袋行きは 通過していました 

(下)わざわざ「浦和」と書かれた東北本線(宇都宮線)の行先表示板