今回は杉並区の旧町名「下高井戸」で戦前の物と思われる痕跡を発見したので、紹介しよう。
発見日 2022年9月15日
発見場所 東京都杉並区下高井戸一丁目
①杉並區下髙井戸壹百貮拾壹番地
旧字体だらけの住所
漢数字には「一」「二」「三」と続く小字と、「壱」「弐」「参」と続く大字がある。漢数字は通常は小字を用いるが、字画が少なく改竄のおそれがあるため、重要な数字の表記では大字を用いることがある
数 漢数字 大字(現) 大字(旧)
1 一 壱 壹
2 二 弐 貳・貮
3 三 参 參
このような大字、しかも旧字体で書かれている表札は余り見掛けたことがない。
たぶんこだわりがあった方なのだろう。
②杉並區下髙井戸一丁目一九九番地
杉並區の琺瑯住所プレートはこれが初かもしれない。
以前は「杉並區成宗三丁目三五四番地」のものがあったようだ。
現地で確認したところ、建物の現存は確認できた。
しかし、プレートが設置されていた跡は残っていたが、現物はなくなっていた。
店内で保管しているのか、誰かにあげたのか、盗まれたのか、わからない。
2022年9月18日
他のものを調べているときに気が付いた。
杉並區の琺瑯住所プレートはこれが初ではなかった。
下記で馬橋のものを紹介していたのだった。
今回の記事を書いた時には全く記憶の片隅にもなかった。
全くあてにならない自分の記憶だ。
う~ん。
どうしよう。
最近、ではない、前からだが、芸能人の名前がパッと出てこない。
脳トレが必要かな。
歴史
1889年(明治22年)
町村制施行によって、「上・下・中高井戸」と、「久我山」・「大宮前新田」・「松庵」の各村が統合されて「高井戸村」となる。
「高井戸」の名が村名として採用された理由は、近郊にひろく知られていたためといわれている。
1926年(大正15年)7月1日
町制施行し、豊多摩郡高井戸町となる。
1932年(昭和7年)10月1日
東京市杉並区に新設合併される。
1969年(昭和44年)
住居表示実施により、もとの「上高井戸村」あたりは「高井戸東一~四丁目」・「高井戸西一~三丁目」・「上高井戸一~三丁目」、「下高井戸村」あたりは「下高井戸一~五丁目」・「浜田山」、そして「中高井戸村」あたりは「松庵」という町名となり、現在に至っている。
地名の由来
諸説あるが、かつて村内の小高い所にあった堂の傍らから水が湧き出ていて、高いところから出ていた井戸なので「高井戸」と呼ばれたという説と、地域内の宗源寺にある高井戸不動が江戸時代までは高台に祀られていて「高いお堂の不動様」と呼ばれるようになり、「高井堂不動」という名が生まれた。そこから高井戸の名が生まれたという説などがある。
上高井戸、下高井戸、高井戸東、高井戸西について
上高井戸、下高井戸という上下分類と高井戸東、高井戸西という東西分類の2種類が混在しているのはなぜだろうか?
上下は高井戸の前に付くのに、東西は高井戸の後ろに付くのはだろうか?
京王電鉄井の頭線高井戸駅を境に高井戸東と高井戸西に分かれる。さらに甲州街道(国道20号)沿いに下(しも)高井戸と上高井戸がある。甲州街道第二の宿場町高井戸は日本橋から約16キロメートルで、下宿(しもじゅく)は下高井戸、上宿(かみじゅく)は上高井戸に設けられ、月の前半は下宿、後半は上宿が伝馬(てんま)役を受け持った。