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登録有形文化財『廣度院』の練塀間知石復元石積み in 東京都港区

このお寺を別目的(旧町名探索)で訪問したのだが、登録有形文化財であることや遺跡があることを知り、こちらのことを先に記事にすることにした。



訪問日  2023年12月2、14、16日

訪問場所 東京都港区芝公園1-8-16(旧芝公園第八號地一番)

廣度院表門(こうどいんひょうもん)

薬医門形式の木造で、屋根は切妻造り・本瓦葺き、虹梁や木鼻の彫刻絵様の特徴から、建築年代は江戸時代後期と推定されている。

表門と東京タワー



院内

12月16日訪問した時は、住職が左にある鉢の水の入れ替えをしていた。

練塀



練塀に映る木の影



江戸時代、大門左右から三解脱門左右に至るまでの長い参道、増上寺境内各所に多用されていた練塀で、現存する唯一の内部構造までを確認できる存在となっている。

練塀は底部に間知石を置き、芯柱を用いずに土と瓦を交互に積み上げて壁体とする構造で、現在では用いられることがない。

現存する練塀は、表門の西に接し北へ連続して、延長約四〇メートルある。

登録有形文化財



隣のオフィスビルの前に何かあるのに気が付いた。

訪問日 2023年12月12日



何だ?

近寄って確認してみよう。



この廣度院の復元された石積みのようだ。


令和5年9月に設置されたらしいので、まだ設置されて間もないものだ。

【No222 増上寺子院群一廣度院跡遺跡(港区埋蔵文化財包蔵地区)】
「廣度院・練塀(こうどいん・ねりべい)間知石(けんちいし)」復元石積み
江戸時代から続く、平衡に安定した上部下部間知石を、発掘の並び・積み上がりのまま復元しました。
江戸時代、芝公園一帯は増上寺境内地で、このH¹O芝公園の敷地は三緑山廣度院でした。
「間知石」は、江戸時代から平衡に揺るぎなく「練塀」を支えていました。
上部は江戸後期の三角錘の間知石、下部は1640年以降の方形に近い間知石です。
「練塀」は、三解説門左右・大門左右・御成門左右、台徳院殿霊廟惣門前、山内各所にもありました。「廣度院練塀」は「間知石」とともに、ここに存在しました。
「廣度院練塀」は、『江戸城造営関係資料集』「塗師方壁方瓦方当時物井本途内訳」(東京都中央図書館所蔵・重要文化財)に記された内部構造構成を確認できます。「江戸城練塀」・「増上寺三門左右練塀」検証にも必要な存在です。

「間知石」は、堀の中から地表へ二段三段と積み上げられていました。この「間知石」の存在や、今回の「廣度院練塀」解体修復調査で判明した「練塀」内部構造により、水はけ対策が理解できます。「廣度院練塀」の脆弱ではない重厚な造り、機能、水はけ対策、配置、景観等からは、増上寺山内寺院建築での配慮を知る事ができます。
H¹O芝公園の建築に先立ち、「廣度院練塀」及び境内地は、前建築解体工事による 損壊が懸念されました。港区議会では区長が、文化財を保護する観点から、丁寧な対応を指導されました。野村不動産株式会社は、地中調査及び解体前・解体中調査を実施。「廣 院練塀」に連結された前建築振動伝達物ベランダの適切な切り離し撤去と、「廣度院練塀」への前建築越境物解消のための一部解体修復保全工事を補償。文化財「廣度院練塀」及び境内地に損壊はなく、将来に懸念を残さないよう保護されました。
H¹O芝公園は港区景観計画の主旨に沿いスカイラインと経済性を両立、増上寺境内地へのリスペクトを持つヘリテージマネジメントを実行しました。三解脱門・大門のアイスポットと寺院の多く点在する景観に配慮され、熊谷組開発の耐火性木の柱を駆使し、寺院建築、日本建築への敬意を示されました。歴史的建造物 「練塀」の瓦・塀の意匠を継ぎ、芝公園の緑の中に歴史的配色を施し増上寺境內廣度院の※遺跡を復元され、「廣度院練塀」への配慮もされました。
国の登録有形文化財「廣度院表門及び練塀」が「増上寺子院群廣度院跡遺跡」と
ともに適切な理解と保存をされることを願い、「間知石」石積みの復元はなされました。
1945(昭和20)年の東京大空襲まで、この敷地の一角に増上寺開山西要上人念持の不動尊がいらっしゃいました。不動堂再建のため、その場所は保存されましたが、戦後暫くして、この地に建築がなされました。頭一つ聳え立つ楼閣で、次第に風光明編な芝公園に建つ洋館として親しまれ、一つの時代を終えました。「廣度院練塀」の文化財保全保護を実現するH¹O芝公園は、増上寺山内での、歴史にとけこみ発展するオフィスビルとして、国際的な港区の歴史の一頁を開かれますよう、不動尊のご加護とともに願っています。
令和5年9月 三樺山廣度院

その隣の小屋は何だ?



廣度院の練塀を保存修理しているために建てられた建物のようだ。

「東京文化財ウィーク2023」『練塀』内部構造特別公開と体験型イベント開催が開催されていたようだ。

日時:令和5年10月28日(土)〜令和5年11月5日(日)10:00〜16:00

知った時は時すでに遅し。一ヶ月以上も前のことであった。

増上寺の練塀