歩・探・見・感

歩・探・見・感

ノスタルジック、レトロ、ディープそしてマイナーな世界へようこそ

たばこ自働販売機 in たばこと塩博物館「たばこ屋大百科」展

たばこと塩の博物館で開催されている「たばこ屋大百科」展から、今回は「たばこ自働販売機」にフォーカスすることにした。

1888年(明治21)に俵谷高七が特許出願した自販機は日本初の自動販売機といわれ、たばこを主に想定したものでした。専売局は小売人も自販機を設置できるよう制度を整えましたが、すぐには普及しませんでした。その後、大正後期には、鉄道切符や袋菓子などの自販機が登場、昭和前期になると、たばこの自販機も駅などに設置され、徐々に広がり始めました。
設置台数が一挙に伸びるのは1970年代からです。高度成長を経て人びとの生活リズムが変わり、早朝、深夜、休日にもたばこを買いたいという消費者が増えたことで、自販機が重宝されました。1968年(昭和43)には全国で500台弱であったのが、70年に4万台を越え、72年に10万台、82年には30万台と飛躍的に普及していきました。

普通の人だったら撮ったとしても上のように全体と説明文の写真しか撮らないと思うが、違いを見つけてしまった自分は全部のパーツを撮って確認したくなった。

最初は普通の人を装っていたのだが、変な奴と思われたくないので、周りに人がいないことを確認し、細部を撮りまくった。

防犯カメラには怪しい奴がいると映っていたかもしれない。

さあ、ここからはパーツを一つ一つ見ていくことにしよう。
(こういう細かいことをやっているから、時間が足りなくなり記事を途中まで書いて放置してしまうのかもしれない。誰に迷惑をかけるわけではないので、いいのだけれど、折角撮った写真が生かせないのがもったいないと思っている。)

プレート

專賣特許
たばこ
自働販賣器
東京三祐社製作

たばこの銘柄

薄くなっていてわかりにくいが、右から

"みのり" 

"GOLDEN BAT(ゴールデンバット)" 

"朝日" 

となっている。

御注意

両側と中央で表現が異なっていた。 


両側

銭受の凹に十銭
白銅(右)五銭白銅
(左)を箝め押棒が前板
に着くまで深く押込
んで下さい 
煙草が出ます

中央

銭受の凹に十銭
白銅を箝め
押棒が前板に着く
まで深く押込で
下さい 
煙草と釣銭が
出ます

このパーツも両側と中央で異なっていた。


両側

手のマーク

⑤ 銭受 ⑩

押ス

当時流通していたと思われる白銅貨

大型五銭白銅貨


品位:銅75%、ニッケル25%
量目:4.275g
直径:20.606mm
孔径:4.20mm

小型五銭白銅貨

品位:銅75%、ニッケル25%
量目:2.625g
直径:19.091mm
孔径:3.90mm

十銭白銅貨

品位:銅75%、ニッケル25%
量目:3.75g
直径:22.121mm
孔径:4.50mm

中央

つり銭

銭 受 
 ⑩

押ス

"みのり"と"朝日"の構成

右側に10銭白銅、左側に5銭白銅を箝める場所がある。硬貨の穴のサイズは違うが、銭受の穴のサイズも違っているのかな?

上の穴の上につり銭と書かれておらず、釣銭が出るとは書かれていない。

値段はそれぞれ15銭ということか?

"GOLDEN BAT(ゴールデンバット)" の構成

押し込んであるので、形状が分からないが、銭受の凹に十銭箝めと書かれているので、箝める場所は10銭白銅1枚分だけになっているのだろう。

1906年明治39年)の発売時は10本入り4銭だったらしい。

1925年(大正14年)11月から1936年(昭和11年)11月までは7銭とのこと。

おつりが出るところを見てみたいもんだ。

たばこ出口



製造元のプレート

三祐社

東京上目黒二ノ二〇一〇 電話青山五七五〇番

三祐社は現存していないようだ。

三祐社と俵谷高七の関係も調べてみたが、わからず。

俵谷高七については下関南部町郵便局に説明板が設置されているらしいので、それを引用させていただいた。

丸ポストを考案した下関の発明家 俵谷高七
発明家 俵谷高七 (たわらや たかしち) は、安政元年 (1854) 3月21日 島根県に生まれた。その後、赤間関の東南部町145番地 (現在の下関市南部町2番7号付近) に居住し、指物師として生計をたてるとともに、赤間関郵便局 (現下関南部町郵便局の前身) の郵便業用具の制作、改良に取り組んでいた。
そのかたわら自動販売機等の発明考案に没頭し、当時としては画期的な発明を次々と生みだしていった。なかでも、丸ポストの考案や自動郵便切手葉書売下機の発明は、明治期の郵便事業にとって記憶されるべき業績であった。
大正元年 (1912) 9月2日 東京市赤坂区霊南坂町で58歳の生涯を閉じている。
主な発明 考案
明治21年 (1888) 木製煙草自動販売
明治34年 (1901) 俵谷式柱箱 (最初の赤い鉄製の丸ポスト) 逓信省は、この丸ポストを全国の主な郵便局に設置した。
明治37年 (1904) 自動郵便切手葉書売下機 (現在、逓信博物館に保存)
明治43年 (1910) 俵谷式郵便葉書自動捌器