歩・探・見・感

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ノスタルジック、レトロ、ディープそしてマイナーな世界へようこそ

東京市道路元標&日本国道路元標

以前からこの前をよく歩いていたが、関心がなかったので、いつも素通りであった。

最近、道路元標にもはまっている。
これも絶滅危惧種のひとつと言えるだろう。
いくつかは紹介しているが、まだ、それほど出会えてはいない。

この道路元標は、既に多くの方が取り上げていると思うので、目新しいことはないと思うが、道路元標の大親分を取材しないなんてありえないということで、5月の暑い日中、日傘をさして訪問した。
最近は男性の日傘も珍しくなくなった。今日も若い美容系男子サラリーマンを何人か見かけた。
おじさんでも真夏の太陽には必須である。
帽子だと暑くてたまらない。
だが風があると、裏返しになったり、飛ばされそうになったりと大変である。
また、写真を撮る時に邪魔になる。

この辺にしておこう。

 

発見日  2022年5月25日

発見場所 東京都中央区日本橋室町

 

元標の広場

日本橋三越のそばにある。

 

東京市道路元標

この東京市道路元標、上の方に花の装飾が付いていて、左右に翼のように広がっているが、実はこれには用途があった。
1967(昭和42年)まで日本橋の上を都電が走っていたのだが、この花の装飾の部分には、都電に電気を供給する架線がぶら下がっていたのだ。

ただの飾りだと思っていた。

びっくりぽん!

 

日本橋は1603年に創架され、江戸幕府により五街道の起点として定められました。現在の日本橋は1911年に架橋されたルネサンス様式の石造二連アーチ橋で、四隅の親柱の銘板に刻まれた「日本橋」及び「にほんはし」の文字は最後の将軍・徳川慶喜公の揮毫によるものです。1972年、日本橋中央の「東京市道路元標」がこの広場に移設・保存されました。その据えられていた跡には、内閣総理大臣佐藤栄作氏(後にノーベル平和賞受賞)の揮毫による「日本国道路元標」が埋標されました。この複製も同時に制作・設置されたものです。東京市道路元標は、1999年に米寿を祝う日本橋とともに国重要文化財に指定されています。

 

里程標

西日本主要都市             東日本主要都市

横浜市     29粁            千葉市     37粁
甲府市   131粁            宇都宮市  107粁
名古屋市  370粁            水戸市   118粁
京都市   503粁            新潟市   344粁
大阪市   550粁            仙台市   350粁
下関市   1,076粁            青森市   736粁
鹿児島市  1,469粁            札幌市      1,156粁

粁はキロメートル

 

日本国道路元標複製

本物の見学は危険なので、ここにレプリカを置いてあるのだろう。

 

日本国道路元標

これは道路の真ん中にある。

人や車の通りが多いところなので、人や車がいないところを撮るのは結構大変である。
と苦労話を差し込む。

 

車が来ないところを見計らって急いで撮ってきた。

向きが違ったようだ。
写真を回転させ、複製と同じ位置に合わせた。

これは昔からここにあったのかと思ったら、違っていた。
何も前提知識がない中、訪問したのである。
これで道路元標マニア気取りというのは、あきれてしまう。

1919(大正八)年4月1日制定の旧道路法で、各市町村に一個ずつ道路元標を設置することとされた。設置場所は府県知事が指定することとされて、ほとんどは市町村役場の前か市町村を通る主要な道路同士の交叉点に設置されていた。
ただ、東京市に限っては、旧道路法施行令によって日本橋の中央に設置することと定められた。
日本橋の中央にあった「東京市道路元標」は都電の架線柱として使用されていたが、都電廃止後1972(昭和47)年の道路改修に伴い、日本橋の北西側、現在の「元標の広場」に移設された。
東京市道路元標」があった場所には、50cm四方の「日本国道路元標」が埋め込まれた。文字は当時の内閣総理大臣佐藤栄作による揮毫だ。

気が付かなかったが、その上空、高速高架の間に設けられている東京市道路元標に似た標柱がある。高速道路を走る車に日本橋と日本国道路元標の位置を知らせる「道路元標地点」碑である。

 

良い子のみんなは、毎年4月初旬の日曜に開催される春の名橋「日本橋」まつりの時は、通行止めになるので、その時に見に来てね。
残念ながら今年(2022年)は中止だった。

 

裏側から撮ったもの。

現在では、次の7本の国道の起点となっている。

国道1号(〜大阪府大阪市)
国道4号(〜青森県青森市)
国道6号(〜宮城県仙台市)
国道14号(〜千葉県千葉市)
国道15号(〜神奈川県横浜市)
国道17号(〜新潟県新潟市)
国道20号(〜長野県塩尻市)

 

日本橋を案内するベテランガイドさんの鉄板ネタらしい。

「おーっ。ここが日本橋ですか。ずいぶん高いところに架かっているんですね。」

日本橋』の橋銘板が掲げられた高速道路を見上げながら話す海外からの旅行者。

「いやいやいや。あそこは高速道路でして、名橋日本橋はその下です。」

 

2022年7月25日再訪し、高速道路を走る車に日本橋と日本国道路元標の位置を知らせる「道路元標地点」碑を撮ってきた。

逆光で、暗くなってしまった。

 

反対側に回って撮り直す。

真下に日本国道路元標がある。

 

 

首都高都心環状線(C1)日本橋付近の地下化工事が始まっている。まずは付近の出入口の連絡路を撤去するため、今年5月に江戸橋および呉服橋出入口が閉鎖された。今後、開削トンネル工事、シールドトンネル工事と進み、地下化された道路が開通するのは2035年度、現在の高架部の撤去が終了するのは2040年度の予定なので、まだまだ先の話ではある。

現在の外観は以下のようになっている。

 

地下化完了後は下記のようになるらしい。

地下化完了後(提供:首都高速道路株式会社 ※再開発の計画は現時点の情報で作成したイメージ)

ここには道路元標地点は当然ない。
地下にそのまま移設されるのことはないだろうが、何かモニュメント的なものが設置されるのだろうか?

 

日本橋小学校の児童が描いた絵

 

坂本小学校の児童が描いた絵