今回は日本水準原点以外で内部が公開されていたものを紹介することにしよう。
電子基準点「東京千代田」
内部
一段目 GNSS受信機 Trimble
二段目 ルーター FUJITSU Si-R G100
三段目 ルーター YAMAHA NVR500
GNSS受信機 測位を行うために、衛星から発信される信号を受信するための端末。
上段 通信装置
下段 UPS
下のパネルの写真と違っている機器もあるようだ。
裏側
青モミジが美しい。
電子基準点 「東京千代田」
ー測位衛星で 国土を測る 位置情報インフラー
GNSS連続観測システム
GEONET
(GNSS Earth Observation Network System)
電子基準点を用いて高精度な測量や地殻変動の監視をしています。
国会前庭にある「日本水準原点」の隣に電子基準点「東京千代田」を設置し、平成30年3月26日から、準天頂衛星システム(みちびき)やGPSなどの観測を始めました。都心での測量が効率化するとともに、全国の標高の基準である日本水準原点の変動をモニターできるようになり、大きな地殻変動が生じた場合でも円滑な測量が可能になります。
GNSSアンテナ
アンテナを保護するためのカバー(レドー ム)の中にアンテナがあります。
銘板
測量標であることを示す説明が記載されています。
基 本
電子基準点
No. 171222
国土地理院
この電子基準点は、GPS衛星や準天頂衛星などの衛星測位システムから出された電波信号を受信しています。
受信したデータは、茨城県つくば市にある国土地理院にリアルタイムで転送されています。
国土地理院は、受信データでこの電子基準点の正確な位置を求め、土地の測量や地図作成の基準点としての利用に供するとともに、地震・火 山噴火等に関わる地殻変動の監視を行っています。
【管理者】
つくば市北鄉1番
国土地理院
029 (864) 1111(大代表)
金属標
基礎に設置されており、測量の基準点として利用できます。
基礎
電子基準点を支えている基礎は、支持層までバイルを打設しています。
電子基準点の役割
電子基準点は、全国約1,300か所に約20km間隔で設置されており、準天頂衛星システム (みちびき)やGPSなどの衛星測位システム(GNSS)の信号を常時観測しています。
電子基準点の役割
1. 測量の基準
GNSS測量の既知点*として利用できます。
*観測点の位置を計算するために必要な、あらかじめ位置が分かっている基準点のことです。
2. 位置情報サービスの支援
リアルタイム高精度測位に必要な補正情報の生成に利用されます。この技術は建設機械の制御や農機の自動運転などに利用されています。
効率化
3. 地殻変動の監視
地震、火山活動やプレート運動に伴う地殻変動を監視し、防災減災に貢献しています。
日本の地殻変動
日本の地殻変動
東北地方太平洋沖地震前後の電子基準点の動き
水平の動き
【地震前】
東北地方は太平洋プレートに押されて西向きの動き
・東西に年間約3cmの縮み
・太平洋沿岸で年間約1cmの沈降
【地震時】
東北地方は、東向きに電子基準点の観測史上、最大の動き
牡鹿半島(宮城県石巻市)において。
・東南東へ約5.3mの動き
・約1.2mの沈降
水平の動き
【地震後】
本震後、東北地方は東向きの動き
・岩手県の釜石市付近で
東南東方向に約1.5mの動き
・牡鹿半島で最大約70cmの隆起
上下の動き
測位衛星の信号を常時受信し位置を精密に計測する 電子基準点において捉えられた大地の動きを示したものです
スタッフの方に蓋の中にある一等水準点で見れるものを聞いたら、地上に設置されている「丁」しかないと言われたが、周辺を歩いていたら、カラーコーンに囲まれたところがあった。
開いていた蓋を見たら、「甲」だった。
一等水準点「甲」
端が欠けていた。
標石の頂部にある半球状の突起は球分体(きゅうぶんたい)というらしい。
甲乙丙の球分体は金属で、戊丁は花崗岩とのこと。