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「染井遺跡発掘遺物 加賀見地区出土品」 VOL.9 「藤堂家染井屋敷」 in 豊島区立駒込図書館

図書館の係りの方に写真を撮ってもいいかと尋ねたら、人が写らなければいいと言われたので、撮らせていただいた。

結構このようなものも撮っているのだが、今まで紹介していなかったので、今回は紹介することにしよう。

 

訪問日 2023年7月29日

 

展示ケース内 貴重資料展示

「染井遺跡発掘遺物
加賀見地区出土品」
VOL.9 「藤堂家染井屋敷」
2023年6月24日 (土)~2023年9月21日 (木)

 

藤堂家染井屋敷

津藩藤堂家は、伊勢・伊賀を中心に32万石の所領を持つ大名でした。初代藩主、藤堂高虎 は、徳川家康の信頼が厚く、外様でありながら譜代大名格として重用されたのです。 明暦の大火(振袖火事) によって大半を焼失した江戸では、大名家をはじめとする武家屋敷の移転が行われました。藤堂家の新しい下屋敷は、江戸の郊外染井(駒込)の地に設 営され、抱え屋敷と共に「染井屋敷」と呼ばれました。

出典: NPO法人としま遺跡調査会 編
『染井遺跡発掘調査からみる藤堂家染井屋敷の暮らし』
NPO法人としま遺跡調査会 2020

染井遺跡(三菱重工業染井アパート地区)調査会・ 編 『染井VI 染井遺跡(三菱重工業染井アパート地区)の発掘調査』
豊島区教育委員会 2001

 

染井屋敷で使われていた軒桟瓦

江戸時代
推定産地 江戸近郊
染井遺跡 出土
豊島区教育委員会 所蔵

出土した軒桟瓦の多くは、瓦当面(軒先に見える瓦の模様のある部分)の左側にある丸い部分に巴文様があるものが多いですが、丸の代りに無地の五角形の粘土板を貼り付けた瓦も出土しています。こうした瓦がまとまって出土しているのは江戸の中でも藤堂家下屋敷だけです。

 

蔦紋のある碗

江戶時代
推定産地 京・信楽
染井遺跡 出土
豊島区教育委員会 所蔵
窯元に特注して作らせたと思われる藤堂家の家紋 みずさし(蔦紋)入りの茶碗。 他にも水指や風炉などの茶道具が出土していることから、 茶の湯を楽しんでいたことが窺われます。

 

伊賀焼の皿

※裏側に「いが」 の刻印あり
江戸時代
木葉形 型押し成形
染井遺跡 出土
豊島区教育委員会 所蔵
敷地の中からは、様々な産地の陶磁器が出土しました。中には、国元から運び込まれた「伊賀焼」の土瓶や土鍋なども多 くありました。 染井屋敷に詰める藩士たちが使っていたと思われます。