2月22日、猫の日。
商店街のあちこちに、猫の飾りやポスターが並び、猫型のどら焼きや肉球クッキーが店先を彩る。そんな中、ひときわ目を引くのが、和菓子屋「福ねこ堂」の店先にいる、黄色と白の猫の看板だ。
その猫の名は「チャリン」。
ピンクのがま口をぎゅっと抱えた姿で、今日もお店の前にちょこんと座っている。看板にはこう書かれている。

「CASH ONLY」
「お支払い方法は現金のみとなっております」
でも、ただの注意書きじゃない。チャリンのまんまるの目と、ちょっと大きめの顔が、どこか親しみやすくて、思わず笑顔になってしまう。「キャッシュオンリーですにゃ」——そう言っているかのように、チャリンはお客さんを見上げている。
チャリンの魔法
この猫の日、福ねこ堂にはいつもより多くのお客さんが訪れていた。猫型の練り切りを買いに来た親子、猫好きのカメラマン、そして、スマホ決済しか使わない若者。
「えっ、現金だけ…?」
財布を持っていなかったその若者は、困った顔で立ち尽くす。すると、チャリンの看板が目に入った。
「にゃーん」
もちろん、看板はしゃべらない。でもそのとき、若者はふと気づいた。近くのベンチに座っていたおばあさんが、にこにこと言った。
「この子、チャリンっていうのよ。がま口を持ってるでしょ?忘れ物を思い出させてくれる猫なのよ」
若者は笑って頭をかき、近くのATMへと走っていった。
撮影日 2025年1月16日
撮影場所 東京都小金井市