久しぶりに旧町名「元広尾町」の痕跡の現存を確認するために広尾五丁目付近を訪れた(2023年2月7日)。
広尾散歩通りは平日にもかかわらず賑やかだった。
創業100年超の銭湯もある。
なんと牧場もあったそうだ。
七星舍牧場跡地
1887(明治20)年、志村峯吉がこの地に七星舎牧場を開設しました。大変先見性のあった人で、1902(明治35) 年に当時渋谷村と言われた田舎の地に大きな二階建ての木造洋館を建設しました。 屋根の上には大きな看板があり一面に「七星舎」の文字が描かれ、両側に小さく「牛」「乳」と描かれていました。洋館の裏には450坪(1485㎡) の牧場に乳牛が 約15頭飼育されており、そのミルクプラントでは牛乳を殺菌・ 瓶詰して配達をするなどでとても隆盛を極めていました。しかしながら1985(昭和60)年に牛乳事業を廃業し約100年に渡る歴史に幕を下ろしました。木造の洋館は惜しまれながらも解体され、その跡地に今の七星舎ビルが建ち七星舎の呼称を残しながら往時を偲んでいます 。
*本掲載文は、 「ミルク一万年の会」 によるものです。
一歩入るとこのような路地がある。
表通りの賑わいが嘘のようだ。
ぶらぶらしていたら、以前はなかったと思うのだが、琺瑯の住所プレートがぶら下がっているのを新たに発見した。
そういうことで以前発見したものと合わせて紹介することにしよう。
①渋谷区元広尾町二番地
発見日 2021年3月16日
渋谷区の渋の「止」の下の字が間違っている気がするが、これも個性ということでいい。
②渋谷区元広尾町一六番地
発見日 2021年3月16日
③渋谷区元広尾町○○番地
これは上の路地のさらに入り込んだ所にあった。
発見日 2023年9月19日
渋谷区から下の部分は消されているので、正面から見る(左側)とわからないが、少しずらして見る(右側)と光の加減で見える。
琺瑯住所プレート
④澁谷區元廣尾町二番地
発見日 2023年2月7日
風があったので、ゆらゆら揺れていた。
盗難防止のためちゃんと止めておいてほしいなあ。
⑤澁谷區元廣尾町一二番地
発見日 2020年7月21日
④と⑤は字体やレイアウトが異なっている。
④と⑤を並べて比較してみよう。
「広」の旧字体の文字が異なっている。
普通はこんなこと気にする人は少ないと思うのだが、自分は気になってしまうのである。
④は「广」+「黄」だが⑤は「黄」となっていない。「龷」の下の字が違う。
「広」の旧字体は「广」+「黃」の「黄」よりも、横棒が一本多い「廣」が正しいらしいので、どちらも違うことになる。
漢字、特に旧字は難しい。
④は「澁谷九部町會員」とあるので町会が作成したものだろうか?
歴史
1909年
渋谷村は町制を施行、豊多摩郡渋谷町になる。
1928年(昭和3年)
渋谷町は町内の11大字を廃止して新たに66町を設置したが、広尾の名前は新設の元広尾町が受け継いだ。
1966年(昭和41年)7月1日
住居表示が実施され、広尾五丁目となり、元広尾町は消滅。